眠様より*











*CLER BLUE












ふわふわ、ふわふわ。
雲と一緒に浮かんでいるような、そんな気分。



「キラ?」



顔の上に落ちた影に瞑っていた瞳を開ける。
そこには困ったような、けれど優しく微笑む幼なじみの顔。



「アスラン・・・」
「何してるの?」
「ん・・・眠いー」
「あ、そう」

柔らかい日差しの中。
寝っ転がっているキラの横にアスランが腰を下ろした。



「いい天気だな」



返事がない。
隣を見ると、すやすやとキラが丸くなって眠っていた。



「早いな」



苦笑を漏らすアスランの耳に微かに足音が聞こえた。
振り向くと、こちらにシンが走って向かってくる。



「二人きりで何して・・・!!」



いきなりやって来て叫ばれるなんてたまったものじゃない。
指まで指される始末。
そんなシンに、アスランが「しー」という仕草をする。



「う、え・・・?」
「眠ってるんだ。静かに、ね?」
「あ、はい・・・」



大人しくなったシンに微笑みかけて、アスランがその場を立ち去る。



「じゃあ、俺はまだ仕事が残ってるから」



ぼんやりとアスランの背中を見ていたシンの服の裾が引っ張られる。
見ると、キラがむくりと起き上がった。



「む・・・あすらん?」
「あ・・・」



キラの言葉にシンが眉根を寄せる。



「あれ・・・あ、シンかぁ。おはよ」
「はよ・・・」
「アスランは?」
「まだ仕事があるとかで・・・」



何故か目を逸らすシンに今度はきらが眉根を寄せた。
その顔でシンを覗き込む。



「どうかした?」
「・・・別に」



ガキ臭いな、とシンは自分で思う。
でも、この二人の関係に自分が入っていけるわけでもなし。
だからこそくだらないヤキモチ。

くぁ、と欠伸をしながらキラがその場を離れようとする。



「キラって青が似合うね」



と、咄嗟に言葉が出てしまった。
何を言っているのだろうと、一人ごちているとキラが笑い出した。



「な、なんだよ」
「それ、アスランにも言われたことあるなぁって思って」
「あっそ・・・」



やっぱりヤキモチを妬くしかないのかもしれない。



「シンさー妬いてる?もしかして」
「べっ!別にそんなんじゃ!!」



挙動不審。
わたわたともがくシンにキラの笑いが一層増した。



「笑うな!」
「ありがと」
「へ・・・?」



少し寂しそうにキラが微笑った。



「僕って幸せ者だなぁって」
「キラ・・・」
「シンがいて、アスランがいて、みんながいて」







見上げた空は、抜けるような、青。
それでも、押し潰されそうな感覚。
ちっぽけな自分という存在。
だけど、幸せだから。
だから、保っていられる。
ここにいる。









「戻ろう、シン」
「・・・ん」


僕は、ここで生きている。




















■□■□■

*あとがき
■アスランがふつーに出張ってますね。
■何で私の書くキラって乙女なんだろう・・・。てか、よく寝てる。
■ありえなーい話でスミマセン・・・。


2005/4/眠





ゲスト原稿に頂きました。


ありがとうありがとう!
無理言って本当ごめん!!マジ感謝・・・っ!