英雄という名の代名詞 |
「嬉しかったですか?英雄と称されて。」 「・・・嬉しくないはず無いだろ。」 俺が、何馬鹿なことを言っているんだと相手に返す。 何を馬鹿なこと。 英雄と讃え褒められて嬉しくない奴なんかいるものか、と。 歌姫を睨み返す。 彼女は俺の睨み何は歯牙にもかけず、宙を見ながら独り言のように呟く。 「キラは・・・・泣いてましたわ。」 「え?」 「キラは、あの方は・・・・仲間に英雄と称され褒め称えられる度に、泣いて傷ついて己を責めてました。」 「何で・・・・。」 今、彼女が言った『キラ』とは、あの『キラ・ヤマト』のことだろう。 フリーダムのパイロット。 俺の、憎むべき敵。 そいつが、英雄と言われるたびに己を責めてた?何故だろう。 何で、褒め称えられて泣くんだ?悲しむんだ?うれし泣きなら解るのだけれど。 「だって、所詮は英雄など・・・・・ただの人殺しの代名詞でしょう?」 不可解な謎に直面している俺に彼女は答えを与えた。 でも、その瞳は俺を断罪しているようで。 その言葉は、俺を責めて・・・憎まれているようで。 「あなたも、英雄気取りの人殺しですのよ?シン・アスカ」 俺は、身動きが取れなくなった。 |
英雄が、人殺しの代名詞だと 夜な夜な夢に見る悪夢が それを証明してくれた |