討ったと思っていた大天使に拾われて、どの位経っただろうか?
毎日毎日、一瞬一瞬で、私の今までの認識はことごとく覆されている。
驚きの毎日。
それでも、どこかわくわくしている自分に気付く、今日という日。
また現れた、新たな疑問に首を捻る。










「アスランさんっ!大丈夫ですかっ!?」

「・・・って、言わない方が良いよ。アスラン、大丈夫じゃなくても大丈夫って言うから。」

「そうですわね。」





そう言って、部屋に入ってきた二人は、嫌というほど目立つ人たちだった。
一人は、アスランさんの婚約者のラクス・クライン。
以前、基地のコンサートで見たときとは全然雰囲気が違う。
なんていうんだろう?
こう、凛とした感じを受ける。私は、こっちのラクス様の方が、格好よくて好きだ。
前のラクス様も、嫌いじゃないんだけどね。


そして、もう一人はキラ・ヤマトっていう人。
よく知らないんだけど、アスランさんとは仲良しらしくて、よくお見舞いに来る。
この、キラ・ヤマトという人は謎な人だ。
フリーダムのパイロットで、アスランさんとは幼馴染。
どうも、このAA内の中心人物らしく、その上オーブの代表ともとても仲がいい。
皆に信頼されてて、凄い人なんだって。
私を看病してくれてたミリアリアさんという人が、教えてくれた。
あの、アスランさんでさえ敵わないほど強く、そしてとても優しい人なのだと。
このAAで、キラさんのことを聞くと、皆が皆彼を大切に思っているのが解る。
誰もが皆、キラさんが大好きで、キラさんも皆が大好きで大切で。
艦内は、戦闘艦じゃないかのような優しさに満ち溢れている。
良いなぁ、こういうの。と、私が思っても、仕方ないと思う。
だって、素敵だなって・・・思うから。



まだ、彼には疑問がある。
一つは、私を見る目。
悲しそうで、見ているこっちが痛くなるほど、切ない瞳を私に向ける。
これはキラさんに限ってじゃない。
オーブから新たにやってきた、サングラスをかけた金髪の軍人さんも、私にそんな目を向けるのだ。
ミリアリアさんや、カガリさん。艦長さんに、マードックさんやノイマンさん達・・・。
後から気付いたのだけれど、連合軍時代からAAにいた人たちが、私を悲しそうに見ることに気付いた。
何故なのか。
聞いてみたいけれど、今はまだ聞けそうに無かった。
少し、そのことをミリアリアさんに聞いたら、

「もう少し・・・もう少し、待っててくれる?まだ、時間がかかると思うの。」

そう、言われて。
何故か解らないけど、踏み込んじゃいけないって・・・思ったの。
だから、これは保留。
いつか、必ず教えてくれると言ってくれたから。







そして、もう一つ。
今、新たに生まれた疑問点。
それは、目の前にいるラクス様とキラさんの関係。
とても仲良しっぽくて、こう・・・さりげにキラさんの手が、ラクス様の腰に回っていて・・・・まるで、恋人同士みたいで。





・・・・・・・・・・・ラクス様は、アスランさんの婚約者・・・よね?











思わず、私が疑問に思ったって、しょうがないと思うの。
だって、ラクス様とキラさん・・・・どう見たって、お似合いの恋人同士なんだもの。
アスランさん、キラさんにラクス様、奪われちゃったのかなぁ?









普通に気になる、疑問点