4、幸せな日々を綴る日記

















昔つけてた、日記を見つけた。











日記を見つけた。古い日記を。
それは、まだ自分と幼馴染が月にいた頃。
あの、幸せな日々。
ふざけあって、喧嘩して遊んで騒いで。この日々が一生変わることがないと。
そう、信じて疑わなかった・・・あの頃。
昔は想像もしなかった、出来なかった、辛い今を想うと胸が締め付けられた。




でも、今が嫌なわけではない。『今』から、逃げたいのではない。
ただ、ふいに想うのだ。












あの頃へと帰れたら、と。




そんなの、叶うことの無い願いだと。
知っているのに。
知っているのに、それでも。



あの頃へと帰れたら、キラの心は傷つかないのに・と。
想うのは、それだけ。
















それでも、『今』から逃げる気は無いし、逃げれるとも想っていないから。
良いのだ、それで。
自分もキラも、逃げることはしないから。
見ないフリは、もう出来はしないから。














アスランは、幸せな日々が綴られた日記をそっと、本棚の奥へと仕舞いこんだ。

















いつか、全てが終わったら。
そしたら、この日記をキラと一緒に見よう。
あの頃はああだったね、と。
そう、二人で笑いあいながら。




















たいせつなものいとしいものを
むねのおくへとしまいこむ
いつか、きみとそれをみることができたら
そしたら、ぼくはそれでそれだけで
しあわせになれるのだ