毎月毎月、キラはあの方のお墓参りを欠かしません。まるでそれが贖罪だとでも言うかのように。
あの方のお墓参りはいつも、キラ一人で行くのです。私もともに行く時もあるのですが、それでも二人で過ごしたいからなのでしょう。あの方の命日は、決まってお一人でお参りになるのです。私やカガリさん達とは命日の3日後にお参りしに行きます。何故三日後なのでしょうか?これは、私のささやかな疑問の一つですわ。
毎回毎回、キラは深紅の花束を持っていきます。お墓参りなのだから、もっと落ち着いた色にしないのか?とアスランが指摘していたら、キラは
「彼女は、紅い花が誰より良く似合うから。」
そう、切なげに瞳を揺らすものですから・・・アスランも何も言えなくなったみたいでした。確かに、生前お会いした彼女は深紅の薔薇のような方でしたもの。華やかで美しくて気高くて・・・棘がある。きっとその棘に沢山傷つけられただろうに。キラは、悲しく微笑むのです。それが、たまらなく悲しくてそんな顔をして欲しくなくて、同時に羨ましくてしょうがなかった。
どうか、私がこの世を旅立った後。
彼女と同じように、それ以上に。私を想っていて欲しい。
それは、祈りにも似た羨望。
|