夢のような日々、君が此処にいるそれだけで僕は―、










         
  それはまるで夢のような、














「ちょっ!クロト!!毎回毎回言ってるでしょ!?キラの隣は私のだって!」

「煩いよ、キラの隣が誰のだろうと関係ないね!だってキラは僕のだもん!!」



アークエンジェルの朝は決まってこの2人の言い争いから始まる。
耳を塞ぎたくなる怒声も、慣れてしまってるクルー達は一向に気にする素振りを見せない。
これは、彼らがいかにキラを愛しているかと言う表現方法の一つでもあるし、何より仲裁に入ってずたぼろにされたアスランのようにはなりたくないのだ。
だから、彼らには傍観することしか出来ない。それが一番良い方法だから。
それに、ある程度になると収拾が付くのだ。彼らの最も愛するキラや、最強の女帝の名を欲しいままにするラクスによって。






「なによなによなによなによ!キラと寝たことも無いくせに!!
 あたしはね、あんたみたいなお子様とは違って、ずぅっとキラと一緒に寝てるんだからね!」

「〜〜〜〜〜っな!ステラとか子供もいる前で何言ってんの!この紅髪毒女!!」

「うっさい!このオレンジなんだか赤なんだか判別付かない頭の癖して!!」



2人の段々過激になってくる低レベルな言い争いに、キラは苦笑しながらも内心かなり幸せだった。
死んだと思ってたフレイは、今こうして元気に自分の前にいる。敵だったクロト達とも仲良くなれた。
これが幸せじゃ無くて何なんだろうか。
ラクスは僕の為に紅茶を入れてくれて、カガリはその笑顔で闇を全て吹き飛ばしてくれる。
AAのクルー達の笑顔も穏やかで、やはり此処が一番安心するのだと実感がわいてくる。
シャニは気が付くと傍にいて和ませてくれるし、オルガはまるでお兄ちゃんの様だ。実際、実の兄も出来た。
その実の兄であるカナードとは命のやり取りがあったのだが、今ではすっかり打ち解けている。
アスランは何だかんだ遠回りしても帰ってきてくれたし(しかも可愛い女の子―メイリンと言う名前だそうだ。フレイに少し似ている―のおまけ付き)死んだと思ってたムゥさんも生きてるし、その部下のステラたちとも今では親子のような間柄だ。(実際ラクスやカガリやフレイが自分達の養子にしようとか言い出したし。)
あぁ、なんて僕は幸せなんだろう。
皆がいて自分がいて此処に生きてる。
本当は、望むことはたったそれだけの簡単なことなのに。
皆、自分の大好きな人たちと一緒に笑って生きていたいって、それだけなのに。
なのに、何でだろう?何で人は争ってしまうんだろう。傷つけてしまうんだろう。
守りたくて守りたくて、大切なものを守るために奪って傷つけて。
それで泣く人がいて憎む人がいて、その連鎖が止まらない。
もう、そんなこと嫌だから。

自分のように、大切な誰かを守るために親友と争わないように。
他の誰かの大切な人を奪ってしまわない世界が欲しい。
そう思って再びこの手に剣を掲げ、戦場へと舞い戻った。
新たな争いを呼ぶだけだと知りながら、僕は―。














「・・ラ・・・キラ・・・ッ!」


フレイに心配そうに顔を覗き込まれ、ハッと現実へと引き戻される。
そこに、2年前の妖艶な微笑みは無い。ただ純粋に、自分を心配してくれているのがわかった。
それがまた嬉しくて。
あの時、あのギリギリの精神状態の戦時中には夢にも思わなかった。
こんな風に、彼女が自分のことを心配してくれるなんて。
こんな風に、皆で穏やかに過ごせる日が来るなんて。



「キーラー?聞いてるの??」

「聞いてるよ、フレイ。」

「どうしたのよ、ボーっとして。」

「なんでもないよ。何でもないけど・・・ただ、」














この夢のような日々がいつまでも続けば良いと・・・そう、切実に願った―。


























■□■

かみさま、おねがいだからどうか―。
























*どうも、遅くなりました!風華様!!<汗
  リクのフレイ生存でアリア設定な話ですが・・・・めちゃめちゃでごめんなさい<泣
  しかもなんか中途半端で・・・・こんなんでよかったら貰ってやってください<汗


 2005・09・25 dasunbedingte/すごろ.く






2005・11・07 リンク修正(ご迷惑おかけしました/汗)

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