君が生まれてきてくれたから。それだけで、僕は空さえも飛べる気がするよ。 驚く誕生日、嬉しいぼくときみがいる。 「イザークッ!」 後ろから聞える、自分を呼び止める声に足を止める。 案の定、声の主は見事に似合う黒い軍服を身にまとい、こちらへと走ってくる。 その様子に、頬を思わず綻ばせてしまうが、その後ろを見て嫌になった。 自分の名を呼びながら、愛らしくこちらへ走ってくる、愛しいキラ。 その後ろ。 鬼の形相でこちらを睨み付けながら、キラの後を付いてくるグラディス隊の赤服達が。 イザークは、天を仰ぎたくなった。いや、グラディス隊の新人ガキ共なんか、自分が本気になれば他愛ない。 キラだって、眼中に無いのだし。(金髪のレイには自分と同じく、少々トラウマがあるようだが) だが、 だがっ! あいつだけは、別だ。あの出戻り凸だけは・・・・っ! 何かあるごとに、キラキラキラキラキラキラキラキラ。 何も無くても、キラキラキラキラキラキラキラキラ。 もう、いい加減にしてくれっ! そう、切れたのは1回2回ではない。 まったく、何がどうなってあんな変態が生まれたのか・・・未だに謎である。 そして、今。 その原因不明で生まれた変態は、キラの後ろからイザークに凶悪な微笑みを向けている。 これはもう、あれだ。視覚の暴力だ。 普通なら、女性が黄色い悲鳴を上げそうな素敵な微笑みなのだが(実際に上げられている)はっきりいって、怖い。 と、いうか・・・得体が知れない。 普段は絶対にしない笑みなので、余計に鳥肌が立つ。産毛が逆立って、警告を発している。 逃げろ、と。 だが、あんな奴らが後ろから付いてきているキラを見捨てては置けない。 イザークは全総力を持って、今この場に止まっていた。 ちなみにディアッカは、物陰からこっそりエールを送っている。 それを恨みがましく睨みながら、キラが来るのを待った。 ようやく、キラがイザークの前まで来た。 するとキラは、いきなりイザークに抱きついた。 背中に手を回し、えへへと可愛らしい声を上げている。 その瞬間、イザークは幸せの絶頂に。 後ろで見ているしか出来なかった、赤服‘sは奈落のそこへ真っ逆さまに落ちていった。 「何故だ、キラッ!何故、そんなおかっぱ野郎が良いんだぁぁぁぁぁ〜〜〜(泣)」 そう、叫び残しながら。 「ところで、何故いきなり抱きついたんだ?・・・いや、うれしいのだがな///」 「え?だって、今日イザーク誕生日だってディアッカに聞いて・・・僕、何も用意してなかったから・・・じゃあ、僕上げよう!って思って。」 「キラ・・・・。」 「じゃあ、改めて・・・誕生日、おめでと。イザーク。・・・生まれてきてくれて、ありがとう。」 「ああ、生まれてきて良かったよ・・・キラ。」 後日、キラはイザークの部屋で疲れ果てて眠り、ディアッカはイザークから褒美としてミリアリアとのデートの為の休暇を与えられたのだった。 Happy End? |